
膝の痛みや違和感が続いて、思いっきり動けずにいませんか。
放置したままにしてしまうと、痛みが慢性化していくだけでなく、階段の上り下りや立ち座りといった日常動作にも支障が出る恐れがあります。
痛みをかばうあまり姿勢が崩れ、別の部位まで影響を受けるケースもあります。
まずは医療機関を受診して、半月板の状態を正しく把握することが大切です。
症状の進行度に合わせた保存療法や、必要に応じて手術を選択することで、痛みの軽減や再発リスクの低減をめざすことができるかもしれません。
本記事では
- 半月板損傷が起こりやすい原因
- 半月板損傷の代表的な症状
- 放置した場合に考えられるリスク
- 保存療法から手術の適応
に至るまで整理しています。
膝の痛みを抱えている方が、どんな治療方法やケアを検討できるのかを知るうえで、きっと役立つ情報になるはずです。
最後までお読みいただき、膝の健康を取り戻すためにできることを一緒に見つけていきましょう。
自分に合ったケアや治療法を選ぶことで、今まで感じていた不安が少しずつ和らぎ、より安心して日常を過ごせるようになるかもしれません。
半月板損傷の代表的な原因3つ
半月板損傷は膝に繰り返し負荷がかかることで症状が出る場合があります。以下の3つの原因についてお伝えしていきます。
- ひねりを伴う動作を続ける
- 過度の負荷を放置する
- 加齢で組織が弱まる
各原因の詳細を見ていきましょう。
ひねりを伴う動作を続ける
激しいスポーツや急な方向転換などで、膝をひねる動作が多い方にみられます。
当クリニックの問診では過去のケガや運動習慣などを伺い、関節に負荷がかかっていないかを総合的に判断します。必要に応じてMRI検査やレントゲンなどを行い、半月板や周辺組織の状態を把握できれば、ひねりによる損傷の程度を推測しやすくなります。
過度の負荷を放置する
長時間の立ち仕事や重い荷物を持つ作業をしている場合、膝への負担が大きくなります。症状が軽い段階で医療機関を受診すれば、炎症を最小限に抑えた治療計画を立てられるでしょう。
痛みを長期的に放置すると、関節や半月板の摩耗が進行しやすく痛みが強まったり歩行がつらくなったりする場合があります。
加齢で組織が弱まる
年齢を重ねると、軟骨や半月板などの組織が衰えやすくなります。また、加齢により筋力低下を起こすと膝への負担が大きくなります。
運動不足や体重増加なども膝への影響は関係し、医療機関では、レントゲンやMRIなどの画像検査で変化を確認することができます。
症状が進行すると、普段の歩行や階段の昇降が厳しく感じられるケースもありますので、気になる方は一度ご相談ください。
なお、保険診療で受診できる場合もありますが、各種治療内容や費用は医師の判断に左右されることがあります。
半月板損傷の代表的な症状3つ
半月板損傷の症状は、膝の痛みをはじめさまざまな形で現れることがあります。以下の3つの症状を中心に解説いたします。
- 膝に鋭い痛みを感じる
- 歩行時に引っかかりを覚える
- 膝の腫れや水がたまる
それでは順番に見ていきましょう。
膝に鋭い痛みを感じる
半月板が傷つくと、動作時に鋭い痛みを感じるケースがあります。医師の診察では、痛みの強さや頻度、姿勢などを詳しく確認し、必要に応じて検査を行うことがあります。
急な痛みがある場合、早期に来院していただくと、炎症や症状の進行を抑えやすい可能性があります。治療効果や感じ方には個人差があるため、医師と相談のうえで適切な方法を選択しましょう。
歩行時に引っかかりを覚える
歩行時に膝がカクンとロックするような引っかかりを感じる場合、半月板の損傷がある可能性があります。問診や身体所見で原因を特定し、関節鏡検査などが検討されるケースもあります。
具体的には、以下のような状況で引っかかりが起きることがあります。
- 歩き始めの一歩目
- 長時間座って立ち上がるとき
- 膝を深く曲げた後に伸ばす動作
症状が続くと周辺の筋肉が硬くなり、さらなる痛みや可動域の制限を引き起こす場合があります。
膝の腫れや水がたまる
膝に炎症が起きると、腫れや関節液がたまることがあります。当クリニックでは、関節内に液体があるか、炎症の度合いはどのくらいかを診察でチェックします。
腫れが慢性化すると、関節の動きが制限されやすくなります。腫れの原因が半月板以外の場合もあるため、医師による診察と必要に応じた検査が大切になります。
半月板損傷を放置する3つの注意点
半月板損傷をそのままにしておくと、思わぬところで痛みや負担が増えてしまいます。今のうちに注意点を知っておけば、悪化を食い止めるきっかけになるでしょう。
以下の注意点を参考にしてください。
- 痛みの慢性化
- 関節機能の低下
- 日常生活への悪影響
まず、痛みを長期間我慢していると、痛みが脳に定着して慢性化しやすくなります。安静や医療機関の診察が必要になるかもしれません。
次に、膝の曲げ伸ばしのたびに負担がかかり、股関節や足首まで痛みが出るケースも考えられます。日常生活に支障が及ぶと、階段の上り下りやしゃがみ動作がキツくなる恐れもあります。
この悪循環を断ち切るには、早期受診やセルフケアが欠かせません。
半月板損傷の保存療法(リハビリ)をするとどうなるか
保存療法やリハビリを取り入れると、膝への負担を軽減できる可能性があります。リハビリの特徴は大きくわけて3つです。
- 痛み軽減が期待できる
- 膝の可動域向上に役立つ
- 再発リスクを抑えられる
医師や理学療法士と相談しながら筋トレやストレッチを進めることで、膝周りの筋力をバランスよく鍛えられます。
日常動作に正しいフォームを取り入れるだけでも大きく違ってきます。軽いウォーキングや
アイシングを組み合わせれば、膝の炎症や痛みをやわらげるサポートにもなります。
こうしたケアをコツコツ継続していくと、痛みが抑えられて以前より動きに自信が持てる場合もあるかもしれません。
>>半月板損傷のリハビリって何をする?|自宅でできるリハビリ3つを紹介
半月板損傷の手術の適応
半月板損傷の治療は手術も選択肢の1つです。もし、保存療法だけでは改善しづらいと診断された場合や痛みが強くて生活に支障がある場合には検討が必要になります。
まず、痛みが日常に支障をきたすほど重い場合は、医師との相談で関節の状態を詳しく調べる必要があるかもしれません。
ロッキング現象と呼ばれる膝の引っかかりが頻発するときは、半月板の損傷部分が大きい可能性が考えられます。
ただし、手術にもリスクはあることから、医師の説明をしっかり理解したうえで判断していただくのが一番です。
いずれにしても、症状や生活環境を総合的に見ながら、無理のない治療計画を立てることが大切になります。
引用元
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