「手首にしこりができた」
「しこりは痛くないけど不安」
痛みがないしこりはガングリオンの可能性があります。
今回は診療でよく見かけるガングリオンについて説明します。
ガングリオンとは
関節や腱鞘(腱を包む組織)の周囲にできる良性の腫瘤です。発生しやすい部位は以下の4つです。
- 指
- 手首
- 手の甲
- 足の甲
大きさは「米粒大」から「ピンポン玉大」のものがあり、軟らかいものから硬いものまでさまざまな形状があります。
症状
ガングリオンの最大の特徴は痛みがないことです。しかし、発生場所によっては圧迫感や痛みを感じたり、神経を圧迫している場合には、しびれを感じたりすることがあります。
要因と病態
原因は分かっていませんが、関節や腱鞘(腱を包む組織)から関節や腱・腱鞘の潤滑油(関節液、滑液)が流れ込む袋が出来ます。流れ込んだ潤滑油が濃縮してゼリー状になったものがガングリオンです。関節や腱鞘のほかにも、ガングリオンは身体中の至る所に生じます。骨や筋肉、神経に出来るガングリオンもあります。
診断
当クリニックでは、超音波検査でしこりの内部が充実性(液体ではない腫瘤)ではないことを確認してから、針を刺して内容物を吸引しています。ゼリー状の内容物が吸引出来ればガングリオンと診断できます。
また、レントゲンで骨に異常がないか確認します。ガングリオンでも小さなものは診断がつきにくいのでMRI検査をする場合があります。
もし、超音波検査で内部が充実性だった場合は、ガングリオン以外の腫瘍の可能性があるため、こちらもMRI検査で腫瘍の原因を検査します。
予防と治療
基本的にガングリオンが出来ないようにする明確な予防方法はありません。ガングリオンは良性の腫瘤なのなので無症状であれば放置しても心配はありません。
ただし、しこりがガングリオン以外の腫瘍の可能性もあるため一度受診をしましょう。ガングリオンは手や手の甲など目につきやすい場所にできるので、大きくて気になる場合や症状があるものは治療を行います。
基本的な治療は針を刺して注射器で吸引し内容物を排出します。ガングリオンは再発しやすいため、穿刺吸引を繰り返すことがあります。また、ガングリオンを押して潰す圧迫法があります。まれに触っているうちに自然に袋が破れ消失することもあります。
何度も繰り返す場合や神経症状を伴う場合は手術を行います。手術ではガングリオン本体と関節や腱鞘へ続く通り道(茎)を含め取り除きます。しかし、手術をしても再発する可能性(10%程度)もあります。もし手術を希望する場合、必要な場合は手術可能な施設に紹介を行っています。
引用元
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